<困難は、それを乗り越えられる人だけにやってくる>(澤穂希)   

2012年 04月 13日

<困難は、それを乗り越えられる人だけにやってくる>(澤穂希)

澤穂希 なでしこイレブンを奮起させた「澤ノート」の中身
女性自身4月12日(木)7時30分配信
c0219232_17275968.jpg

4月5日の「キリンチャレンジカップ」で優勝したなでしこジャパン。
だがそのとき、エース・澤穂希選手(33)は試合会場にいなかった。
3月の「アルガルベ杯」でめまいなどの症状を訴え、
戦線離脱中の澤だが「なでしこメンバーの活躍の裏には、
澤選手からのバックアップがあった」とスポーツ紙記者は言う。

「これまで公になることはなかったんですが、
澤選手は日ごろ「澤ノート」というものを書いているそうです。
初めて全日本のメンバーに選ばれた18年前から書き続けている。
その日の練習内容や体調、試合があれば、その経過と結果、
自分のプレー内容などが細かく書かれているんです」

その「澤ノート」の内容が後輩・大野忍選手(28)を通じ”裏指令”として、
なでしこメンバーたちに伝えられているという。

サッカー関係者によると
「技術論や戦術論はもちろんですが、
とくに後輩たちが共感しているのは、
ノートの端に書かれた彼女の人生観や、
メンタル面に関することのようです」。


ノートに書かれている澤の言葉とは--


<悩みがあることは良いこと。目標があるから人は悩む>
<あなたは人の見ていない所で努力している。でも、知っている人は知っている>
<困難は、それを乗り越えられる人だけにやってくる>


不在のエースからの言葉に、メンバーたちは優勝で応えたのだ。
c0219232_1722463.jpg

【平蔵の独り言】
<困難は、それを乗り越えられる人だけにやってくる>
〔澤ノート〕の言葉が自身をチームを鼓舞させていることを知ったが
どの言葉も澤の平坦ではなかった
18年のサッカー人生の日常からの心の叫びのように感じる。

すごい!

さらに澤穂希をこのように語っている。
FIFA世界最優秀女子選手に選ばれ、
スイスでの受賞式典に着物姿で登壇した澤穂希、
日本の非日常ではない姿の違和感をもやもやと感じながらいたが、
c0219232_17245028.jpg

―――――――――――――――――――――――――――――――
【小田嶋隆】澤穂希が駆け抜ける「先駆者」という野蛮な道
Sportive[2012年01月18日(水)]
考えが変わったのは、澤穂希選手本人が、自分が着物を着た理由について、
「どこから見ても、日本人が受賞したということがひと目でわかるように」
という主旨の話をしているのを聞いてからだ。

 おお。
 彼女は、どうやら、私よりずっと考え方の幅が広い。それに、人間が大きい。
 思うに、澤選手は、昨年のW杯優勝以来、
自分自身の個人的な好みや、居心地のよさや、主張や、
ふだんの生活はあえて捨ててかかっている。

で、「女子サッカー界」さらには「日本人」というより大きな枠組を代表する存在としてふるまうべく心がけている。
 なかなかできないことだ。

 彼女は、後輩の女子サッカー選手に
「今はとにかく私たちがどんどん色々な場所に出ないといけない」
 という意味のことを言ったのだそうだ。
 何かの雑誌で、このコメントを読んだ時、私は自分の偏狭さを思って少し赤面した。

なんということだろう。
要するに、彼女は、「捨石」になる覚悟を、ずっと早い時期からすでに固めていたのである。

彼女が、なでしこのキャプテンとして招かれ、
「バロンドールの澤」として遇される場面は、必ずしも良心的でポジティブな機会だけではない。

ある時は、バラエティーの添え物として冷遇され、
別の場面では賞イベントの集客フックとして利用され、
さらにひどい場合には政治家の集票活動の広告看板として駆り出されることすらある。

 が、そうした心貧しいオファーも含めて、
すべてを受け入れることが、
今の時期の女子サッカーには必要な試練なのだということを、
彼女は、去年の夏、ワールドカップを手にした折に、覚悟したわけだ。
 だからこそ、「出すぎ」だと言われるリスクを顧みず、
「天狗になっている」という批判を甘んじて受けながら、
彼女は、メディアの期待する役割を演じ、
クライアントが喜ぶ姿で画面に登場することを選んでいる。
 見事というほかにない。

 このほとんど軽薄と呼ぶにふさわしいほどの付き合いの良さは、キング・カズに通じる。
 カズも、オファーを断らない人だ。
 おバカなバラエティーや、宣伝丸出しのイベントや、
もしかしたらあやしい人がかかわっているかもしれない企画にも、カズは気軽に顔を出す。
そして、登場する時には、お辞儀をしながらマイクに鼻をブツけるみたいな、
ベタなボケをカマす。素晴らしいタレントだ。

 両者に共通しているのは、選手である前に「先駆者」だということだ。
 道の先頭を行く者には、余人には想像もつかない圧力がかかる。
最初の風圧がぶつかってくるし、道には石ころが転がり、
モグラ穴が空き、誰も踏んだことのない蔓草(つるくさ)の根や、マムシの尻尾が横たわっている。

目の前には蜘蛛が巣を張りめぐらし、頭上からはコウモリが様子をうかがっている。

先頭を歩く者は、そうした、誰も経験したことのない困難を所与の条件として受け容れないといけない。

 で、澤選手は、そのどうにも野蛮な道を、振袖姿で駆け抜けている。
 かけるべき言葉が思い浮かばない。
 それほど気高い姿だ。

c0219232_17253419.jpg

女子年間最優秀選手に澤穂希 男子(メッシ)と並んで
―――――――――――――――――――――――――――――――
ひと2011:あなたがいた 澤穂希さん
◇頼れる背中、五輪でも--澤穂希(ほまれ)さん(33)
 空っ風が吹くグラウンド。激しい練習の合間、時折見せる笑顔--。
ワールドカップ優勝の瞬間を、ふと思い出した。

 練習後、バスに乗るまでのわずかな間に
「もう、怒濤(どとう)の一年でしたよ」と振り返った。

 なでしこの何が私たちを魅了するのか。
スポーツジャーナリストの二宮清純さんは
「東日本大震災後、自信を失いかけた日本人に、
連帯感、責任感、一体感とともに、『下を向いてはならない』というメッセージを送ってくれた。
特に主将の澤選手は、まさに今、国民が欲しているリーダーなんでしょう」。

「苦しい時は、私の背中を見て」。そう言ってチームをけん引した。
今の日本で誰も言えないせりふだろう。

 園遊会の着物姿もあでやかだったが、正直言ってグラウンドのほこりまみれの笑顔の方がずっと輝いている。
c0219232_1472384.jpg

 来年はロンドン五輪。また、あなたの笑顔と背中が見たい。
<文・江畑佳明/写真・大西岳彦>=おわり
毎日新聞 2011年12月27日 東京夕刊
[PR]

by asanogawa-garou | 2012-04-13 14:02 | サッカー | Comments(0)