この歳になって、我慢するのをやめました。(遅咲きの名優が辿り着いた境地)【笹野高史(66歳)】 |
2017年 08月 24日 |
〔どんな小さな役柄でも、その登場人物にも歴史や毎日の暮らしがありますよね。〕 2015/12/26
この歳になって、我慢するのをやめました。
〔デザートをいくつ頼んでもいいと知って人生が変わった〕
「津川雅彦さんと食事をする機会があったんです。
デザートを選ぶ段になって
津川さんが『僕はね、これと、これと、これと』ってオーダーをされまして。
『デザートって、そんなに頼んでいいの?』って思わず言ったら
『いいのいいの。もういい年なんだから。したいことすればいいの』って。
〔知らないうちにできてる「刷り込み」ってやつが怖いんだね、なんでも〕
どんな小さな役柄でも、その登場人物にも歴史や毎日の暮らしがありますよね。
シェークスピア劇の門番も、家に帰れば家族がいて、夕飯時に奥さんから隣近所への愚痴を聞かされたりするわけでしょう。
そういう想像をどんどんしていくと役に魂が入るんじゃないかって思う。
これが面白くてたまらない。
〔デザートをいくつ頼んでもいいと知って人生が変わった〕
漠然とした不安を抱えていた矢先、ある光景を見て、自由に生きて行こうと決めた。
「津川雅彦さんと食事をする機会があったんです。
デザートを選ぶ段になって
津川さんが『僕はね、これと、これと、これと』ってオーダーをされまして。
『デザートって、そんなに頼んでいいの?』って思わず言ったら
『いいのいいの。もういい年なんだから。したいことすればいいの』って。
〔知らないうちにできてる「刷り込み」ってやつが怖いんだね、なんでも〕
目からうろこ、でしたよ。
僕の食事の常識には、デザートは一つ、って刷り込まれていたんです。
でも欲張っていいんだと思ってね。
自分を抑えていたいろんな刷り込みを一気に消してみた。
そうしたら、齢50過ぎにして人生観が変わりましたよ」
「いろいろ我慢してきた反動ですかね。
でも物欲は仕事の原動力ですし、もっと言えばその好奇心が生命力そのものなのかな、と。
もちろん不安はあるけど、『この先はどうしよう』って悩んでても埒があかない。
いつ死ぬかさえわからないんだから。
撮影現場でポックリ逝けたら最高だけど、そんなに上手くいかないだろうねぇ」
高齢化する日本では「普通の人の生活や感情がきちんと反映された上質の作品」が必要になると考えているという。
そんな自分だから演じられる役に、まだまだめぐり合えそう。
主役でもワンシーンでも楽しませてもらいます。
【平蔵の独り言】
『デザートって、そんなに頼んでいいの?』って思わず言ったら
『いいのいいの。もういい年なんだから。したいことすればいいの』って。
【独り言】『もういい年なんだから。したいことすればいいの』
〔同じもの繰り返しの中から、奮い起たせるものを探す〕蜷川幸雄
これから何が起こるのか! 考えても仕方ないし。
〔今、“何でもありと”〕 と最近思い始めているが!
by asanogawa-garou | 2017-08-24 16:00 | 『普通』でいい! | Comments(0)