<   2015年 09月 ( 3 )   > この月の画像一覧   

【元気は人生の正義である】「健康」じゃなくて「元気」なんですね。(食う、眠ることは生きること!)   

2015年 09月 24日
【元気は人生の正義である】「健康」じゃなくて「元気」なんですね。(食う、眠ることは生きること!)
日経ビジネス 乗り移り人生相談 2015年7月2日(木)
〔「元気は人生の正義である」〕
人生を愉しむための必要条件が元気だ。
〔モーツアルトを聴きながら、シングルをゆっくり飲む〕〔元気ゆえの快眠、快食、快便〕
〔毎週2時間、足の指と足首をもみほぐす〕
いま俺の体を定期的にメンテナンスしてくれている人がいるんだ。
〔若かりし頃の愛読書をよく読み返す〕
------------------------
〔大滝さんが「君、健康と元気は別のものだよ」とおっしゃったそうです。〕
(【75歳ごろまで「はな垂れ小僧」だった大滝秀治さん】2012/11/15)
------------------------
〔「元気は人生の正義である」。〕
これは俺のオリジナル格言で、人生にとって最も大切なのは元気だと心から思っている。
いい仕事をするにも、うまい料理を堪能するにも、何より元気がなくてはいけない。
つまり、人生を愉しむための必要条件が元気だ。
c0219232_151631.jpg

ミツハシ:シマジさんが大事にするのは「健康」じゃなくて「元気」なんですね。
シマジ:「健康」でもいいのだが、「健康」は訓読みすると「すこやか」で「やすらか」だろ。
これは俺のような毒蛇には似合わない。
品行方正で大人しい感じの「健康」より、気の元である「元気」の方が生命力の強さを感じるだろ。
今東光大僧正に教えてもらったところによると、
「気」とは血液やリンパと同じように体を流れるエネルギーの源だ。
気力充実を感じさせる「元気」の方がしっくりくるね。
ミツハシ:シマジさんは、90歳で亡くなったウィンストン・チャーチルより、1つ長生きするつもりなんですよね。
c0219232_15165648.jpg

②シマジさんがファンからもらったチャーチルのフィギュア

シマジ:チャーチルは朝からシャンパンを飲んでいた。
それも葉巻吸いながら。
そして一週間で百本吸ったんだ。
百本だぞ! それで90歳1カ月を生きた。
俺もそれにあやかって、若いときからシガーを吸い、シャンパンの代わりにシングルモルトを飲んでいる。
 そうして91歳で大往生し、天国に行ってチャーチルに会ったら言うんだよ。
「閣下、私は閣下にひとつだけ勝ったことがございます。閣下より一年長生きしたことです」とね。
天国でチャーチルに会ったときにどもらないように、
ファンからもらったこのチャーチルフィギュアに向かって英語で話しかけて練習しているんだ。
ミツハシ:せっかく練習しているのですから、ちゃんと天国に行ってくださいね。
シマジ:任せておけ。
ミツハシ:それで、シガーとシングルモルト以外で、シマジさんの元気のもとは何ですか?
c0219232_15182726.jpg


〔モーツアルトを聴きながら、シングルをゆっくり飲む〕
シマジ:快眠、快食、快便かな。
 就寝時刻は午前2時。
マンションの同じフロアにある母屋からここサロン・ド・シマジ本店に、
毎晩午前0時30分、かみさんが電話をしてくることになっている。
生存確認の電話だな。
「生きてますか」という問いに「ちゃんと生きているぞ」と返事をする。
 それから部屋の照明を暗くして、SPレコードに残されたモーツアルトの名演奏をCD36枚に収めた「伝説の録音」(飛鳥新社)から1枚を流し、その日最後の葉巻を吸ってシングルをゆっくりと飲む。
 相談者も書くように、悩みがあるとなかなか寝付けないかもしれないが、寝る前に暗めの部屋でゆったりとした時間を持つと心身ともにリラックスする。
モーツアルトもリラックス向きの音楽だと思うね。
それが終わると母屋に戻り、1時頃にベッドに入る。
俺の場合、すぐには寝ないで1時間くらい本を読んで、眠りにつくのは2時頃だ。
 朝は10時頃に起きるから、たっぷり8時間の睡眠だよ。
途中でおしっこに起きることもなく、泥のように眠っている。
目覚めると必ず鶏卵1つを目玉焼きかゆで卵で食べる。
11時頃にサロン・ド・シマジに出勤し、夜まで原稿を書き続けることもあれば、途中でスポーツクラブに行ってリフレッシュすることもある。

 食事は、朝の卵を除くと、昼夜ともに外食だ。
昔ほど量を食えなくなったが、熊も鳩も亀も、おいしく食べている。
まあ、快便に関しては省略しておこう。

〔元気ゆえの快眠、快食、快便〕

ミツハシ:うーん、快眠、快食、快便は元気のもとというより、シマジさんの場合、元気ゆえの快眠、快食、快便に聞こえます。
失礼ながら、そのお齢でよく毎晩8時間ぐっすり眠れますね。
恥ずかしながら、私は毎晩4時頃に一度トイレに行きたくなって目が覚めるようになりました。
ここ1年くらいのことですが。
シマジ:その齢で頻尿か?
ミツハシ:いや、どうなんでしょう。
でも気になって、ネットの頻尿度チェックみたいなのをやってみましたが、まだ頻尿とは言えないようです。
シマジ:俺の場合、寝汗がすごいんだよ。
ミツハシ:不快感のある寝汗ではないのですか?
シマジ:全然。ぐっすり眠って寝起きは気分爽快。
だが、パジャマはぐっしょりだ。
ミツハシ:子供の頃からなら、体の不調による寝汗ではないようですね。
ところで、意識的にやっている健康法はないのですか?
c0219232_1523161.jpg


〔毎週2時間、足の指と足首をもみほぐす〕俺の体を定期的にメンテナンス
シマジ:実は、いま俺の体を定期的にメンテナンスしてくれている人がいるんだ。
操体法の三浦寛先生でね。
操体法については興味のある人はネットで調べてくれ。
 この三浦先生の高弟が、「乗り移り人生相談」をはじめとして俺の書くもののファンでね。
新宿伊勢丹メンズ館のサロン・ド・シマジに来てくれるようになったんだ。
その縁で三浦先生もサロン・ド・シマジに顔を出してくれた。
まあ、そんなことがあって一昨年の暮れに、俺は頚椎症をやってしまってね。
立っているだけで辛いほどで、シガーも吸えなければ、シングルモルトも飲めない。
なんとも情けない状態になってしまったんだよ。
 それでも、年が明けた1月4日には、メンズ館のサロン・ド・シマジに出勤した。
蒼い顔でバーマンを務めていると、みんなが心配してね。
「今日は帰ってください」とお客さんが口々に言うんだ。
だけど、新年早々わざわざ来てくれたみんなを残して帰るのは嫌で、「大丈夫」と強がっていた。
 そこに三浦先生と高弟が現れてね。
高弟が言うには「シマジ先生が俺を呼んでいる。伊勢丹に行くぞと三浦先生がおっしゃるものですから顔を出しました」。
地獄に仏とはこのことで、早速、三浦先生が俺の左右の足の指を揉みほぐしてくれたら、5分ほどですっと首の痛みが和らいでね。
顔にも血色が戻り、シガーを吸い、シングルモルトを飲めるようになったんだ。
ミツハシ:すぐに、吸って飲もうとするところがシマジさんらしいですね。
シマジ:このことがあって、俺は毎週三浦先生のところに通い、
2時間横になって足の指と足首をもみほぐしてもらっている。
それからというものすこぶる快調でね。
間違いなくシマジの体を整えてくれているのは三浦先生だ。
ミツハシ:それはいい人に巡り合えましたね。
シマジ:やっぱり俺は縁と運に恵まれているな。
もう一つ、いまの俺に欠かせないのがエアウィーブというマットレスパッドでね。
ミツハシ:浅田真央がテレビCMをやっているあれですね。
シマジ:そう。たまたま半年ほど前に伊勢丹本館の寝具売り場でこいつを見つけて衝動買いしたんだが、あまりに気持ちよく眠れるものだから、バイヤーに言ってメンズ館のサロン・ド・シマジにも置くことにしたんだ。
こいつを使うようになってから、寝返りしたはずみで目が覚めることがなくなってね。
眠りが深くなったことを実感する。
ミツハシ:一時期とても気に入っていた酸素カプセルはどうですか?
シマジ:酸素カプセルはいまも月に1度入っている。
大気圧よりも少し高めの気圧にしたカプセルに入ると、俺の場合、眼精疲労が取れるようでね。
遠くがよく見えるようになるんだ。

〔若かりし頃の愛読書をよく読み返す〕
シマジ:うまいものを食って、よく寝る以外に俺が実践している元気になる方法をもう一つ教えよう。
若い頃に読んだ本を読み返すんだ。
 俺の場合は、中学生時代から大学生時代によく読んだモームやバルザック、ツヴァイクやシャーロック・ホームズシリーズだ。
この齢になっても、読み返すと若い頃の感動がよみがえるんだよ。
ストーリーを完璧に覚えていても、同じように感動できる。
時間がないときには短編集を読めばいい。
俺の場合、ツヴァイクの『人類の星の時間』と『シャーロック・ホームズの冒険』の2つの短編集は精神のリカバリーに即効で効く常備薬だね。
 相談者にもそんな本がきっとあるはずだ。

よく食べ、よく寝て、若かりし頃の愛読書をよく読み返し、くよくよを吹き飛ばしてくれ。
c0219232_15263025.jpg
 


【平蔵の独り言】

「元気は人生の正義である」


俺の体を定期的にメンテナンス

【独り言】
シマジさんの座右の銘「人生とは苦しみそのもの」

人生、今を歩くために「元気」でなくては語れない!
そのために「健康」でなくてはならない!


定期的にメンテナンス
と言えばいいにか、
週2回メンテナンス
3ヶ月に一回、歯科・眼科
1年毎に心臓の狭窄、胃カメラ

病と遭遇して、一日でも元気で生きるで増えてきた。

この格言を今日に迷ったら、思い出すことにする。
「元気は人生の正義である」


“サロン・ド・シマジ”
忙しい暇つぶしの場、人が集ってくれることが羨ましい!
--------------------------------
c0219232_15312678.jpg


〔Salon de SHIMAJI〕
3年目を迎えます
さぁ、本日も「サロン ド シマジ」開店です!
スコットランドから戻って少しお疲れなのでは?とスタッフの心配を横目に本日も「バーマンシマジ」全開です!!

9月は「サロン ド シマジ」にとって大切な月。
2年前の9月にこの「サロン ド シマジ」はオープンしました。
日頃は日本全国よりたくさんのお客さまが「シマジ詣」にお越しいただきスタッフ一同、心より御礼申し上げます。
私共、スタッフも「バーマンシマジ」に負けないよう、頑張って参りますので、
今後とも変わらぬご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。

――――――――――――――――――――――――――――――――

〔大滝さんが「君、健康と元気は別のものだよ」とおっしゃったそうです。〕
緒形拳さん(昭和12~平成20年)主演のドラマ「風のガーデン」(平成20年)を富良野で撮っていたときのことです。
拳さんが医者の役で、大滝さんが病気の老人役。
拳さんが大滝さんの住む農家に診に行くシーンで僕をつきあわせたんですけどね、拳さんはそのときがんで死期が近いと分かっていて、そのことを僕らには隠していた。
 だけど撮影が終わって一緒に帰るとき、緒形さんは「大滝さんからすごいことを言われた」って言うんですね。

大滝さんが「君、健康と元気は別のものだよ」とおっしゃったそうです。
僕はそうだなと思って心を打たれました。
もうじき亡くなることが分かっている緒形さんがおっしゃっただけに、そのせりふはすごく残っています。

75歳ごろまで「はな垂れ小僧」だった大滝秀治さん「もう駄目だと思ったり まだやれると思ったり」 (【75歳ごろまで「はな垂れ小僧」だった大滝秀治さん】2012/11/15)

【平蔵の独り言】大滝さんが「君、健康と元気は別のものだよ」

“健康”だから“元気”なのか! “元気”だから“健康”なのか!
毎年、血圧・過呼吸で救急の世話になっていたのが、
この3年治まっているを思うと“健康”に過ごす為、
ラジオ体操・ストレッチの成果か・・・・・・・・
[PR]

by asanogawa-garou | 2015-09-24 15:51 | 人生 まだ旅の途中 | Comments(0)

【人生は70才より】60歳は人生の花。70歳で迎えがきたら留守だといえ。80歳で迎えがきたら、   

2015年 09月 03日

【人生は70才より】60歳は人生の花。70歳で迎えがきたら留守だといえ。80歳で迎えがきたら、早すぎるといえ。「人生を修める」祝い


仙厓義梵(せんがいぎぼん)

「60歳は人生の花。70歳で迎えがきたら留守だといえ。80歳で迎えがきたら、早すぎるといえ。90歳で迎えがきたら、急ぐなといえ。100歳で迎えがきたらぼつぼつ考えようといえ」

「いつまでも不良老人でいよう」

仙厓義梵のように「柳に風」
 「気に入らぬ風もあらふに柳哉」


c0219232_15313145.jpg


六十歳は人生の花、七十歳で迎えがきたら留守だといえ
八十歳で迎えがきたら、早すぎるといえ
九十歳で迎えがきたら、急ぐなといえ
百歳で迎えがきたら、ぼつぼつ考えようといえ

仙厓義梵 江戸後期の臨済宗禅僧


〔老いるほど豊かに 長寿祝いのすすめ〕
日本経済新聞2015/8/18 一条真也の人生の修め方

日本には、長寿祝いというものがあります。
61歳の「還暦」、
70歳の「古稀」、
77歳の「喜寿」、
80歳の「傘寿」、
88歳の「米寿」、
90歳の「卒寿」、
99歳の「白寿」、
などです。

 そのいわれは、次の通り。
還暦は、生まれ年と同じ干支の年を迎えることから暦に還(かえ)るという。
古稀は、杜甫の詩である「人生七十古来稀也」に由来。
喜寿は、喜の草書体が「七十七」であることから。
傘寿は、傘の略字が「八十」に通じる。
米寿は、八十八が「米」の字に通じる。
卒寿は、卒の略字の「卆」が九十に通じる。
そして白寿は、百から一をとると、字は「白」になり、数は九十九になるというわけです。

 わたしは、儀式の本質を「魂のコントロール術」であるととらえています。儀式が最大限の力を発揮するときは、人間の魂が不安定に揺れているときです。
老いてゆく人間の魂も不安に揺れ動きます。
なぜなら、人間にとって最大の不安である「死」に向かってゆく過程が「老い」だからです。

「人生を修める」祝い
c0219232_15332935.jpg


【平蔵の独り言】
古希がすぐそこ!
さて、どのように生きていくのか・・・・・
日々が見えてきた時に見つけた。

六十歳は人生の花、七十歳で迎えがきたら“留守だといえ”

2年前、左冠動脈狭窄 狭窄度70%
呑気に “天皇陛下は右冠動脈狭窄:バイパス手術”

天皇陛下と反対側の左だ!

そんな呑気なことを言っている病状ではなかった。

カテーテル手術1回目、石灰化が進んでいて撤収
血管の状態が把握できたという事で
ロータブレーターで石灰化を削り取る。
主治医「うまくいったぞ」と顔を向けてニコ!
ステント留置

しかし、術後の報告で「もう一か所狭窄がある。半年後」
“その狭窄が詰まったらどうなるのですか”
「その先の心臓の部位が壊死するだけ」
半年後この狭窄を検査→狭窄度100%
主治医「まだ新しいから、カテーテルでうまくいくでしょう」
バルーン・ステント留置

半年後、狭窄の検査「問題なし、もう来なくていいよ」
“先生 それは冷たい” ということで
毎年、一般外来で診察を受けることになり、今に至る。

【独り言】
七十歳で迎えがきたら“留守だといえ”

古希になったら、“留守です!”

仙厓義梵のように「柳に風」と自然体でいけるか・・・・・・・・・・・
[PR]

by asanogawa-garou | 2015-09-03 15:37 | 今 今日この頃 | Comments(0)

【年甲斐もない生き方】(年をとって円くなったようにみえる人も、本当は内心を表にださなくなっただけ)   

2015年 09月 01日
【年甲斐もない生き方】(年をとって円くなったようにみえる人も、本当は内心を表にださなくなっただけなのではあるまいか)

生き抜くヒント!(五木寛之) 週刊新潮平成27年8月6日通巻3000号記念特大号
c0219232_169354.jpg

【年甲斐もない生き方】

〔人は年をとると丸くなる〕
人は年をとると丸くなる、という。本当にそうだろうか。
私には、どうもそうとは思えない。
むしろ逆なのではあるまいか。
加齢による成熟などというものはない、感じてきた。
今もそう思う。

〔人によりけり〕
「人は年をとると、円くなると思いますか」

〔年をへて円くなった人よりも、老いてなおエッジの立った人のほうがおもしろい〕
(私だけの偏見だろうか。)
〔めっぽうおもしろい〕(激怒した師の叡空は、ついに手近かにあった枕を法然に叩きつけた)
その師弟関係を伝えるエピソードが、私は好きだ。

【年甲斐もない生き方】

〔人は年をとると丸くなる〕
人は年をとると丸くなる、という。本当にそうだろうか。
私には、どうもそうとは思えない。
むしろ逆なのではあるまいか。
加齢による成熟などというものはない、感じてきた。
今もそう思う。

先日、都心のあるホテルで、地下の階からエレベーターに乗った。
3階のコーヒーショップで打ち合わせの予定があったのである。
エレベーターにほかの客はいない。

1階のロビーのフロアで、2人の客が乗り込んできた。
1人は紫の衣をつけた堂々たる恰幅のお坊さまだった。
袈裟も豪華、偉容あたりを払う貫禄である。でっぷり肥えておられて、血色もすこぶるよい。
もう1人は、そのかたの付き人とみえる痩せた青年僧だった。
両手を膝の前で組み、伏目がちに壁際にかしこまっている。

エレベーターの扉が閉まった瞬間、そのお坊さまが、突然、「十三階」といわれた。
体格にふさわしい腹に響くようなバリトンだった。
私は思わずエレベーターの中を見回したが、私たち三人のほかに誰かがいるわけでもない。
若いお坊さんのほうは、壁にはりついたようにかしこまっていて、まったくなんの反応も示さない。
その「十三階」という声は、どうやら私に向けて発せられたもののようだった。
たしかに階数を表示するボタンの盤には、私がいちばん近い。

若い頃の私なら、
「はい、はい、十三階ですね」
と、笑顔でボタンを押しただろう。
それよりも、お二人が乗りこんでこられた時に、自分のほうから、
「何階ですか」
と、ごく自然におたずねしていたはずである。

しかし、人は老いたからといって、必ずしも円くなるわけではない。
事もなげに、
「十三階」
と、いい放って、あたりを睥睨するような高僧の気配に、私は年甲斐もなく腹を立てたのである。
私はきこえないふりをして、そっぽをむいていた。

〔人によりけり〕
「十三階だ」
と、ふたたび太い声がきこえた。
だが、私はボタンを押さなかった。
エレベーターが3階に着いてドアが開き、私は黙って廊下へでた。
背後でドアの閉まる音がした。

そのとき、一瞬、ひどく後悔した。
素直に十三階のボタンを押せばよかった、とつくづく思った。

3階のコーヒー・ショップで約束していた人と会って、仕事の話をしたあと、
「人は年をとると、円くなると思いますか」
と、たずねると、
「どうですかね。人によりけりじゃないでしょうか」
と、当りさわりのない返事が返ってきた。
c0219232_1619551.jpg

〔年をへて円くなった人よりも、老いてなおエッジの立った人のほうがおもしろい〕(私だけの偏見だろうか。)

「人は年をとると、悪いところや欠点が露骨にでるような思うな。
円くなるというのは、要するに覇気がなくなって、どうでもいいような気になっていくことじゃないでしょうか」

私が重ねていった。相手は黙って微笑するだけだった。

人による、というのは確かだろう。老いてなお向上心の衰えない人もいるし、
周囲にきめこまかな思いやりを忘れない人もいる。
しかし子供にかえったような感じで、好き放題にふるまう老人もいる。
角がとれて円くなったというのは、要するに何かがすりへってしまったというではないだろうか。

仏教では、よく、「自利利他」ということを説く。
自分を利することと、他人を利することを一体とするというのが理想であるらしい。

しかし、年をへて円くなった人よりも、老いてなおエッジの立った人のほうがおもしろい、というのは私だけの偏見だろうか。

〔めっぽうおもしろい〕(激怒した師の叡空は、ついに手近かにあった枕を法然に叩きつけた)

この国の浄土教の先駆者であった法然は、比叡山で「知恵第一の法然」とよばれたほどの秀才だったが、
若くしてドロップアウトした。
黒谷別所というところで聖たちの群れに身を投じたのだ。
別所に集まるのは、いわゆる正統派の修行僧たちの立場を放棄して、
本来の仏道を求めるグループである。

そこで師として仰いだのが慈眼房叡空という学僧だった。
この叡空という人が、めっぽうおもしろい。
戒律をきびしく守る人で、法然はさまざまな影響を受ける。
その師弟関係を伝えるエピソードが、私は好きだ。

なにかの問題で、師と法然が激しく対立する。
尊敬する恩師といえども、自説を曲げないところがいかにも法然らしい。
世慣れた円満な人柄にみえる法然だが、実に絶対に妥協しない一徹な人だった。

両者の論争は、はてしなく続き、
激怒した師の叡空は、ついに手近かにあった枕を法然に叩きつけたというのだ。

どっちもどっちであるが、
私はそんな師、叡空と弟子、法然の立ち回りがおもしろくて仕方がない。

その当時、叡空は一体何歳ぐらいだったのだろうか。
昔は四十過ぎれば老人である。
若き弟子の反抗に、枕を投げつけて怒る学僧の姿を想像して、つい笑ってしまうのだ。

年とともにわがまま勝手になってくる自分をかえりみて、
恥じ入りつつも、ふと思う。
年をとって円くなったようにみえる人も、
本当は内心を表にださなくなっただけなのではあるまいか。
c0219232_1624404.jpg
③皆、穏やかそうに見受けられるが“トゲ”だらけ!

【平蔵の独り言】
〔人は年をとると丸くなる〕
人は年をとると丸くなる、という。本当にそうだろうか。
私には、どうもそうとは思えない。
むしろ逆なのではあるまいか。
加齢による成熟などというものはない、感じてきた。
今もそう思う。
〔人によりけり〕
「人は年をとると、円くなると思いますか」
〔年をへて円くなった人よりも、老いてなおエッジの立った人のほうがおもしろい〕(私だけの偏見だろうか。)
〔めっぽうおもしろい〕(激怒した師の叡空は、ついに手近かにあった枕を法然に叩きつけた)

【独り言】
五木寛之さん(今年82歳)でも、丸くなったかと
言っている。
還暦を過ぎたら、少しは分別が付くのか思っていたが
昨日まで生きてきた人生の新しい時間だから
丸くなる→〔人によりけり〕
エッジが立った人のほうが→〔毎日がおもしろい〕
そして、手近かにあった枕を

少しも丸くなっていない。

まだ、傘寿までかなり時間がある・・・・・

元気は人生の正義である。(シマジ の座右の銘)
ですね!
元気な人生をエッジの立った感性で、歩いていけますね!
[PR]

by asanogawa-garou | 2015-09-01 16:26 | 人生 まだ旅の途中 | Comments(0)