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『70からはやけっぱち』年をとることをネガティブに考えても仕方ないし、毎日を楽しく暮らしていければ、それが一番じゃないでしょうか【野際陽子】   

2017年 07月 04日
『70からはやけっぱち』年をとることをネガティブに考えても仕方ないし、毎日を楽しく暮らしていければ、それが一番じゃないでしょうか【野際陽子】


大切にしているのは楽しむ心を忘れないこと。


■ユーモアたっぷりに日々の暮らしを綴る
〔このまま老人へ一直線でいいのか!? ……〕
〔「庭で虫を見つけた」〕
〔シェルティー〕

■意地悪な役がストレス解消に


〔来年で80歳を迎える野際陽子さん「これから挑戦したいこと」〕

・年をとることをネガティブに考えても仕方ないし、
毎日を楽しく暮らしていければ、それが一番じゃないでしょうか

週刊女性5月12・19日号

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________________________________________

■ユーモアたっぷりに日々の暮らしを綴る
 大ヒットドラマには常にこの人あり。
そう言いたくなるほど存在感のある役柄を数多く演じてきた女優の野際陽子さんが、実に19年ぶりとなるエッセー『70からはやけっぱち』を出版した。

 5年ほど前から始めたという水彩画とともに綴られる人気女優の日々の暮らし。
体重が増えたことを嘆いたり、庭で見つけた怪しげな虫を飼ってみたり、
飼い犬たちの世話に奮闘したりといった毎日が、
茶目っ気たっぷりに語られている。

「私は“面白おかしくて、クスクス笑えるものを書きたい”という気持ちが
あるんです。小さいころからユーモア小説を読むのが好きでしてね。
10代のころにユーモア小説を書いて、
少女雑誌の公募に挿絵付きで送ったことがあるくらい」

 エッセーは冒頭から、大物女優らしからぬざっくばらんな語り口で始まる。

〔このまま老人へ一直線でいいのか!? ……〕
70歳になる少し前から、老化対策にとストレッチや筋トレを始めたものの、
気づいたら10か月もサボっていた。
お腹も二の腕もぷよぷよ、身体もカチカチだ。


このまま老人へ一直線でいいのか!? ……
といった自分へのツッコミやぼやきが続き、読み手はついつい笑ってしまう。
まさに野際さんの狙いどおりだ。

「私もね、いろいろと運動の機械は買ってみたんですよ。
金魚運動マシンとか何とかステッパーとか。
でも機械は場所も取るし、すぐに飽きてやらなくなってしまうの。
それで、ストレッチならヨガマット一枚でできるからいいかと思いましてね。

今は何とか、週に2〜3回のペースで続けています。
運動不足を解消するために、家の中をぐるぐる走り回ったこともありますが、
ラグカーペットに足を引っかけて親指を骨折しちゃったので、
もうやめました(笑い)」

〔「庭で虫を見つけた」〕
 そして、「庭で虫を見つけた」という普通なら何の変哲もないはずのエピソードも、野際さんの手にかかると、なぜかおかしな方向へ……。

「ある日、黄金虫というのを庭で見つけたので、
空き瓶に入れて飼ってみたんです。一昨年は2匹、昨年は4匹つかまえて。
それが観察していると、とってもおかしいの。
4匹が数珠つなぎになってみたり、
2匹ずつのカップルに分かれてくっついてみたり。
きゅうりやにんじんをあげると、すごい勢いで食べるのよ。

今はアゲハ蝶の幼虫を飼っているんですが、この青虫もまたカワイイの。
葉っぱをむしゃむしゃって食べる姿が、ものすごく愛らしくて」

“大物女優と幼虫”という、
あまりにギャップのある組み合わせにまたもやクスクス笑いつつ、
野際さんが小さな命に向けるやさしいまなざしに心がじんわり温かくなる。

〔シェルティー〕
飼い犬たちとのエピソードも愛情あふれるものばかりだ。
「以前は6匹でしたが、4年前に1匹亡くなって、
今は5匹のシェルティーと暮らしています。
17年ほど前に最初の子を飼い始めて、
そのうち子どもが生まれたり、お嫁さんをもらったりするうちに、
どんどん増えて。
犬たちは私にとって、子どもや孫みたいな存在。
この子たちは話がわかるんです。
人の目を見て話を聞くし、私が“今日はお月さま出てるかな?”と聞くと、ピューッと庭に走っていって、空を見て“ワンワン!”って答えてくれるの」

■意地悪な役がストレス解消に
 それにしても、ドラマの撮影が入った時のハードスケジュールには改めてびっくり。
朝7時から24時までの撮影が何日も続くことが珍しくない。

それでも野際さんは、「仕事は楽しいので、どんなに忙しくても嫌だと思ったことはありませんね」と話す。

「私は若いころから、悲劇のヒロインとか絵に描いたようないい人というのは、あまり演じたことがなくて。
たいていの役は少し意地悪だったり、うんと意地悪だったり(笑い)。
普段の自分なら絶対に言わないようなことを平気で言ってしまう役が多いものですから、ストレス解消になるんです。

それに、どんな役でも一生懸命演じていれば、誰かが見ていてくださるもの。
あるドラマで母親役を演じた時、
家でイチャイチャしている娘と彼氏に“ご飯ですよ”と声をかけるシーンがあったので、自分なりに表情や口調を工夫して、ちょっと笑えるように演じてみたんです。

そのたった1シーンを、ある演出家の方がご覧になって“面白い女優がいるな”と思ってくださったらしく、別のドラマに起用してくださったこともありました。

私たち女優はオファーをいただかなくてはできない仕事ですから、ここまで続けてこられたのは、とても幸運なことだと思っています」

〔来年で80歳を迎える野際さん。これから挑戦してみたいことは?〕

「うーん、ゴルフは興味がないし、動物は好きだけど乗馬は落っこちたら大変だし、スカイダイビングは途中で死んじゃいそうだし(笑い)。

いろいろ考えてみると、そんなにやりたいことってないのね。
だから今までどおり、1日1日を大切に過ごしていきたい。

年をとることをネガティブに考えても仕方ないし、毎日を楽しく暮らしていければ、それが一番じゃないでしょうか」

(取材・文/塚田有香 撮影/近藤陽介)
※取材後記
 ドラマでは気が強い女性を演じることが多い野際さんだが、
ご本人はとても人見知りなのだそう。
「仕事場でも最初は共演者やスタッフの方たちと何を話していいかわからないし、そもそも人の名前が覚えられない(笑い)。
ですから、誰かが話しかけてくださるのを、じっと待っているんです」

 それにしても、素顔の野際さんは本当に気さくな方。
「理想の体重は51.5kgだけど、一時は56kg近くになっちゃって」などと包み隠さず何でも話してくださる姿に、ますます好感度アップ!

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〈著者プロフィール〉
のぎわ・ようこ 1936年、富山県生まれ。
'58年、NHKにアナウンサーとして入局。
'62年にフリーとなり、翌年に女優デビュー。
『キイハンター』『ずっとあなたが好きだった』『TRICK』『DOCTORS』『花嫁のれん』などテレビドラマを中心に活躍中。


偉人 野際陽子 名言集|心の常備薬 公開日: 2017/06/18 :
No.014人間は股関節から老けていきますよって(ある先生に)言われた。


【野際陽子】極秘肺がん闘病の野際陽子 羽田美智子には相談していた
2016.04.28 07:00
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《声、まったく出てなかった》
《何があったんだろう…。大丈夫かな》。
昨年1月4日、ネット上にこんな声が溢れた。
同日放送されたテレビドラマ『ドクターズ』(テレビ朝日系)のスペシャル版に出演した野際陽子(80才)への反応だった。

 病院長を演じた野際のセリフは声がかすれていて聞き取りづらく、
呼吸もどこか苦しそう。
一部はアテレコしたシーンもあったという。
テレ朝のスタッフが明かす。

「直後に放送が始まった同作のパート3では、野際さんの役は急遽、“海外出張中”となって1~3話の出演がありませんでした。
当時から“体調不良説”が囁かれていたんですが、今になってやっと明確な理由がわかりました。まさか、こんなことになっていたなんて…」

『週刊ポスト』(4月25日発売号)が野際の極秘肺がん闘病を報じた。
記事によると、野際は2年ほど前に肺がんに罹患。

当時は昼ドラの撮影中で、彼女は額に脂汗を流しながら収録に臨んでいたそうだ。
早期発見のため大事には至らなかったが、昨年4月ごろに肺がんが再発し、
極秘裏に腫瘍の摘出手術を受けていたという。
野際の知人が当時の様子を振り返る。

「手術の影響で肺が縮小して呼吸がスムーズにいかず、
退院後も酸素吸入器を利用していたほどです。
“ハア、ハア”と息を切らしながらしゃべる姿がとても痛々しかった。
でも、スタッフも含め、ほとんど誰にも明かしていませんでした。
後輩女優で仲のいい羽田美智子さんには少し相談していたそうです」

 昨年夏から始めた抗がん剤治療の効果で一時期のような息苦しさは収まり、
酸素吸入器は不要に。
現在も都内の病院に定期的に通い、治療と経過観察の検査をしながら仕事を続けているという。

※女性セブン2016年5月12・19日号

野際陽子が隠し続けた「肺がん2年壮絶闘病」
2016.04.24 16:00
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 今年1月に傘寿を迎えた女優・野際陽子(80)は、いまだ衰えを感じさせない。
4月6日にスタートした人気ドラマ『警視庁捜査一課9係season11』(テレビ朝日系)に準レギュラーとして出演。
さらに同15日から始まったNHKの連続ドラマ『コントレール~罪と恋~』にも、主人公(石田ゆり子)の姑役として出演している。

 女優として、いくつになっても第一線に立ち続ける姿からは想像もできないが、野際は現在、大きな病と戦っている。
野際と親しいテレビ局関係者が明かす。

「野際さんは2年ほど前に肺がんを患いました。
当時、彼女は昼ドラの撮影に追われていたのですが、
いつも脂汗を流すほど過酷な撮影だったそうです。

 早期発見ということもあり、治療は成功しましたが、
昨年の4月頃に再発し、腫瘍の摘出手術を受けました。
術後、体中に管を通され、健康な人に比べると肺がかなり小さくなってしまったため、“はぁ、はぁ”と息苦しそうに喋る姿は非常に痛々しかった。
退院時には酸素吸入器を携行していたほどで、関係者の頭には“引退”の2文字が過ぎったそうです」

 その後、息苦しさは徐々に収まり、吸入器を携行する姿も見られなくなったが、憔悴した様子は隠せなかったという。
だが、昨年夏、抗がん剤治療に移ると野際は明るい表情を取り戻した。
前出の関係者の話だ。

「“自分に合った抗がん剤が見つかったの”と喜んでいたのがその頃です。
薬物療法は体力を消耗しますが、大きな効果もあり、
本人の気持ちが前向きになったようです」

 経過は良好で、病気を知る関係者の目から見ても、
今の野際はまるで“完治”したかのように映るという。
とはいえ、野際は現在も都内の大学病院に定期的に通い、「治療と経過観察の検査を受けている」(同前)という。

 NHKの人気女子アナだった野際が、フリーに転身したのが1962年。
翌年に女優デビューすると、知的な雰囲気と抜群のスタイルで、たちまち世の男性を魅了した。
視聴率30%を記録した大ヒットドラマ『キイハンター』に出演し、1973年に共演した俳優・千葉真一と結婚。一女をもうけたが、1994年に離婚した。
以来、浮名を流すことなく、独身を貫いている。
野際家と近しい芸能関係者が言う。

「現在、基本的には野際さん1人で自活しているようです。
本当は手術や抗がん剤治療で精神的にも肉体的にも辛かったはずです。
でも彼女は弱音を吐くことは一切なかった。
細身で楚々とした外見とは裏腹に精神力はとても強い女性なんです。

 がん発症後も仕事は休んでいませんし、仕事の関係者には内緒にしていたので、ドラマ共演者で彼女の病気のことを知っている人はほとんどいません」

 壮絶な闘病生活をおくびにも出さない野際のプロ意識はさすがだが、
ファンとしては体調が気がかりだ。
野際の所属事務所に現在の様子を訊ねた。

「野際本人は様々な事情があり自身の健康問題を始め、
個人的な事柄につきましては、何事も公にすることは避けたいとの意向です。
本人は現在大変元気に日々過ごしております」

 がんを“克服”し、80歳になった今も第一線で活躍する野際の姿は、
多くの人に希望と勇気を与えるに違いない。

※週刊ポスト2016年5月6・13日号

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野際陽子 恋愛は?と聞かれ「今は人間より虫。青虫かわいい」
2015.05.26 07:00


 80才を前にして、今は健康で、若さと美貌に加えて、仕事にも恵まれている女優・野際陽子(79才)。となると、気になるのは恋愛だが…。

 * * *
「もう恋はいいわ。でも、岡惚れしてなきゃだめですよ」
 恋愛はここ45年くらい、まったく何もないけれど。
でもね、女優の杉村春子さんが晩年、奈良岡朋子さんに
「もう恋はいいわ。でも、岡惚れしてなきゃだめですよ」
とおっしゃったというのをうかがって、あ、かっこいいじゃん!

 私もそれでいこう、って。だからどうしたと言われても、ふふふ…なんですけどね。

 でも、今は人間より虫だわね。
アゲハチョウの青虫なんて、本当にかわいいですよ。
芋虫というのか、キャタピラーというのか、丸いかわいい体で、
目かなと思うと模様だったりして。
この子がさなぎになって、羽化して飛んで行った時には感動しましたもの。

 コガネムシもかわいいですね。
最初は大事に育てていたイヌビワの根を食べるにっくき害虫だ、と捕まえて瓶に幽閉したんです。
ところが、見ているうちに情が移ってしまって、お高いキャベツを買ってせっせと与えたり。

 植物を育てるのも草取りも趣味かな。
そして犬たちの世話。時間の経つのを忘れます。

※女性セブン2015年6月4日

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【平蔵の独り言】
『70からはやけっぱち』年をとることをネガティブに考えても仕方ないし、毎日を楽しく暮らしていければ、それが一番じゃないでしょうか

【独り言】
古希を迎え、どうしていけばもやもやしている。

「老人は痛い。なのに若い人(40代も50代も)は気づいてくれない
痛快エッセイ。――『老人一年生』(副島隆彦著)」
をみつけて読んだ。自身が(40代も50代も)の時そうだ!

以前、野際陽子さんが言っていた
「自分が持っているものが、すべて。足りなかったら、しゃーない。」

『70からはやけっぱち』

「80になった時、ブログを更新できていれば少しは野際陽子さんのように・・・・・・」

【平蔵の独り言】
女優の杉村春子さんが晩年、奈良岡朋子さんに
「もう恋はいいわ。でも、岡惚れしてなきゃだめですよ」
とおっしゃったというのをうかがって、あ、かっこいいじゃん!

【独り言】
”岡惚れ”  あ、かっこいいじゃん!

そうですよね!
これなら、誰にも迷惑が掛からないし、ちょっと叫べるし!



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by asanogawa-garou | 2017-07-04 15:15 | 人間模様 | Comments(0)

【野際陽子】この道をずっと歩いてきた。老いを隠さない。それが、彼女一流の“へこまない”生き方。   

2015年 04月 02日
【野際陽子】この道をずっと歩いてきた。老いを隠さない。それが、彼女一流の“へこまない”生き方。

〔自分に期待しない。足りなかったらしゃーない〕
私は自分に期待していないから、無駄なストレスや絶望がないんです。
自分が持っているものが、すべて。足りなかったら、しゃーない。」

〔『自分なんてたいしたことない』と思ってきた〕

〔強盗にナイフを突きつけられたのに「おつり頂戴」って〕

〔悲痛な顔で誰かに訴えたところで聞かされた人が辛いだろうなと思うし、第一、悩みが消えるわけではありませんから〕

〔役作りには困らないから、根が意地悪なのかも〕

〔欲張ったりほめられたいと思うから苦しい〕
最近、テレビで、年配の農家の方が、今年も作物を収穫することができた、それ以上は何も望ましいと笑っている姿を見て、涙が出るほど感動しました。
誉められたいと思えば生きづらいに決まっています。
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〔自分に期待しない。足りなかったらしゃーない〕
年齢のことに触れたくないという女性は世の中に多い。
しかし、今年79歳を迎えた野際陽子は、躊躇うことなく年齢を口にする。
「だって隠したって仕方ないでしょう?
ウィキペディキュアを見たら、立教大学では長嶋茂雄さんと同期だったとバッチリ書いてあるわよ。
それにしても、こんなに大きく『今年で79歳!』なんて書かなくてもいいのにねぇ(笑)」

と、自らの著者の帯に大きく書かれた文字を軽やかに笑い飛ばした。
彼女なりの老い対策や美容法のほか、心豊かな暮らしぶりが綴られているが、
自らを「老婆」と呼ぶユーモラスな文体が印象的だ。

〔『自分なんてたいしたことない』と思ってきた〕
「昔から自虐的なところがあるの。いつも『自分なんてたいしたことない』と思ってきた。
皆よく、『へこむ』って言うでしょ。
でもそれって、自分に期待してるっていうこと。
私は自分に期待していないから、無駄なストレスや絶望がないんです。自分が持っているものが、すべて。足りなかったら、しゃーない。」

〔強盗にナイフを突きつけられたのに「おつり頂戴」って〕
5人姉弟の長女として育った野際は、終戦後の新制中学2期生として、立教女学院へ進学した。
「父母の苦労を見ていたから、自活しなければという意識があった。
立教大では英語サークルで英語劇に参加したり、
学内の『テアトルジュンヌ』という劇団で芝居をしていましたが、
現実と向き合った時、早く自分の手でお金を稼ぎたかったんです。
だから、卒業後の進路は就職以外、考えられなかった。
それで、NHKにアナウンサーとして入局しました」

サラリと語るが、4000人もの志願者の中から採用させたのは、たったの11人。
遡れば大学時代は特待生で、
アメフトの応援団のクイーンに選出されたりと、常に「選ばれし者」だったのではないか。

「まったくもって誤解。特待生になれたのも、失恋の痛手を忘れるために勉強に没頭したことが活きただけ。
いざ、という時には肝がすわるタイプかもしれませんね」

その性格を表す強烈なエピソードがある。
NHK時代、名古屋に赴任していた時のこと。
一人暮らしをしていた野際のアパートに、強盗が押し入ったことがあった。
ナイフを脇腹に突きつけられ、恐怖と緊張で空気が張り詰める中、野際の口から出た言葉は、
「いくら欲しいの?」。

男は何ともバカ正直に、「200円(現在の価値で4000円ほど)」と要求してきたが、生憎、千円札しか持ち合わせていなかった。
そこで、「千円渡すから、おつりを頂戴」と掛け合ったというのだ。
このことについて野際は、
「最初は命が惜しかったのに、ナイフが食事用のものだと確認した途端、お金のほうが惜しくなってしまって」と言いながら笑い、「本当は死ぬほど怖かった」とポツリと溢した。
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〔『自分なんてたいしたことない』と思ってきた〕
「昔から自虐的なところがあるの。いつも『自分なんてたいしたことない』と思ってきた。
皆よく、『へこむ』って言うでしょ。
でもそれって、自分に期待してるっていうこと。
私は自分に期待していないから、無駄なストレスや絶望がないんです。
自分が持っているものが、すべて。足りなかったら、しゃーない。」

〔強盗にナイフを突きつけられたのに「おつり頂戴」って〕
5人姉弟の長女として育った野際は、終戦後の新制中学2期生として、立教女学院へ進学した。
「父母の苦労を見ていたから、自活しなければという意識があった。
立教大では英語サークルで英語劇に参加したり、学内の『テアトルジュンヌ』という劇団で芝居をしていましたが、現実と向き合った時、早く自分の手でお金を稼ぎたかったんです。
だから、卒業後の進路は就職以外、考えられなかった。
それで、NHKにアナウンサーとして入局しました」

サラリと語るが、4000人もの志願者の中から採用させたのは、たったの11人。
遡れば大学時代は特待生で、アメフトの応援団のクイーンに選出されたりと、常に「選ばれし者」だったのではないか。
「まったくもって誤解。特待生になれたのも、失恋の痛手を忘れるために勉強に没頭したことが活きただけ。いざ、という時には肝がすわるタイプかもしれませんね」

その性格を表す強烈なエピソードがある。
NHK時代、名古屋に赴任していた時のこと。
一人暮らしをしていた野際のアパートに、強盗が押し入ったことがあった。
ナイフを脇腹に突きつけられ、恐怖と緊張で空気が張り詰める中、
野際の口から出た言葉は、
「いくら欲しいの?」。

男は何ともバカ正直に、「200円(現在の価値で4000円ほど)」と要求してきたが、
生憎、千円札しか持ち合わせていなかった。
そこで、「千円渡すから、おつりを頂戴」と掛け合ったというのだ。
このことについて野際は、
「最初は命が惜しかったのに、ナイフが食事用のものだと確認した途端、お金のほうが惜しくなってしまって」と言いながら笑い、「本当は死ぬほど怖かった」とポツリと溢した。

〔悲痛な顔で誰かに訴えたところで聞かされた人が辛いだろうなと思うし、第一、悩みが消えるわけではありませんから〕
「だからこそ笑い話にしてしまうんですね。
これまで生きて来たうちには、苦しいことや哀しいこともありましたが、
その胸の内を明かしたことはないんです。
悲痛な顔で誰かに訴えたところで聞かされた人が辛いだろうなと思うし、第一、悩みが消えるわけではありませんから。
抱えてしまった問題はどう頑張っても解決しないということもあります。
ならば潔く現実を受け入れ、ほかに幸せなことを探してフォローする。
そんな風にしてバランスを保って生きてきたような気がします」

どこまでも現実的な野際がせっかく入局したNHKを4年で辞めたのは、
彼女のプレゼン能力に目をつけた広告代理店に、新規企画のプレゼンターとして引き抜かれたからだった。
「NHKのお給料は2万円くらいでしたが、6万円もくれるというので、こんなに美味しい話を逃すものかと飛びつきました(笑)。
ただ、プレゼンターの仕事はまだ準備中ですることがなくて。
そんな時、TBSの『女性専科』という番組の司会をやらないかと持ちかけられたんです。
このまま何もしないで給料を貰うのは心苦しいし、毎日の生放送はしんどいだろうけど、まあ、お金は頂けるだろうとやることにしました。
フランスに留学したかったので、そのための貯金に余念がなかったんです。番組の司会を始めて1年ほど経った頃に、今度は『悲の器』というドラマに出演しないかと連絡があり、それも引き受けましたが、当時は女優という仕事に対して無欲でした」

そして30歳の時、念願のパリへ旅立つ。語学学校やソルボンヌ大学仏文科に通う1年の留学を経て帰国し、ほどなくして出演したのが、視聴率30%を記録した伝説のドラマ『キーハンター』。
野際はクールビューティーな女優として認知され、たちまち人気を博した。

「あの作品は、一人の女性としての転機でした。というのも、ドラマの共演がきっかけで結婚を体験しましたから(千葉真一と’73年に結婚)。
『女性専科』『キイハンター』の頃が、私の唯一の自己主張期。
撮影現場でも、台本に納得がいかないと監督をつかまえて議論したり、何事につけても理屈っぽい、本当に嫌な女だったと思います。
でも結婚と出産を経て、丸くなったというのかしら。本来の“期待しない”自分に戻った。


ただ、結婚生活は自分には合わないと、ずっと思っていました。
仕事の同志としてはじまった関係だったから、罵り合って終わりたくはなかった。
そう思ってタイミングを待っていたら、結婚生活が21年も続いちゃった」
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〔役作りには困らないから、根が意地悪なのかも〕
その頃、ドラマ『ずっとあなたが好きだった』(’92年)で演じた、
息子を溺愛する母親役が注目を集め、再ブレイクの渦中にあった。
以後、彼女のもとへは、クセのある姑役のオファーが殺到する。
「姑役が続いて、演じ分けなくてはと躍起になるのですが、基本的に役作りはしないんです。
撮影現場に入ると、スッと役柄が降りてくる。
隣家の嫁がイラッとすることを言えば、
庭掃除していたチリトリのゴミを相手の郵便受けに入れるくらいのアドリブは出てくる。
自分でも驚くほど意地悪な女になっていて。きっと根が意地悪なのでしょう(笑)」

〔欲張ったりほめられたいと思うから苦しい〕
そうしてテレビドラマの世界の個性豊かな母親役をいくつも演じてきたが、
意外なことに女優としての受賞歴はほとんどないという。
「そういう仕事はしていませんから。『私なんて……』は健在なんです。
でも自己評価の高い人は大変でしょうね。

最近、テレビで、年配の農家の方が、今年も作物を収穫することができた、
それ以上は何も望ましいと笑っている姿を見て、涙が出るほど感動しました。


誉められたいと思えば生きづらいに決まっています。
自分は好きなことを続けていると幸せを感じれば、それだけで人生は楽しい。
たまさか誉められたら喜びも倍増する。
それでこそ感謝の念も湧いてくるというものです」
現実を受け入れたうえで、加算法で生きるという人生哲学を備えた、個性派女優。

人が避けては通れない「老い」についてもこう語る。
「最近よく『終活』って聞くけど、やったほうがいいだろうな、とは思っていてもなかなか……。
私はこの歳になって、どんどん洋服が増えていってるバカですね(笑)。
身体はあちこち痛いし、物忘れも多い。
でも、『こりゃしょうがねえ』と思っています。
こうなったらお婆さん役を極めようと思って。
憎たらしいけど陽気な老婆、背中の曲がった老婆も演じたい」

80年近くを生きてきて、病んだ日も、疲れきった日もあった。
そんな時、野際は少し休んで、こう言う。
「さあ、ぼちぼちやるか」


女優デビューから五十余年。「そういえば、悲劇のヒロインを演じたことってなかったわ」

毎日コツコツなんて続かないわよ。
サボってもいいじゃない


週刊現代2015/3/28号
【野際陽子】この道をずっと歩いてきた。

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【平蔵の独り言】
〔自分に期待しない。足りなかったらしゃーない〕
「私は自分に期待していないから、無駄なストレスや絶望がないんです。
自分が持っているものが、すべて。足りなかったら、しゃーない。」

【独り言】
自分が持っているものが、すべて。足りなかったら、しゃーない。
これになかなか気が付かないのですよね!
最近、少し肩の力が抜けて来ているかな?
と思うことが、ふっと感じることが・・・・・

【平蔵の独り言】
〔欲張ったりほめられたいと思うから苦しい〕
私はこの歳になって、どんどん洋服が増えていってるバカですね(笑)。
身体はあちこち痛いし、物忘れも多い。
でも、『こりゃしょうがねえ』と思っています。
こうなったらお婆さん役を極めようと思って。
憎たらしいけど陽気な老婆、背中の曲がった老婆も演じたい」
80年近くを生きてきて、病んだ日も、疲れきった日もあった。
そんな時、野際は少し休んで、こう言う。
「さあ、ぼちぼちやるか」
毎日コツコツなんて続かないわよ。
サボってもいいじゃない


【独り言】
12月で百歳、99歳の画家さんの個展を見てきた。
みんな共通して言うのは、“色彩が優しくなってきましたね”
思うに以前は 空の青がキツかったり、全体の色彩にどこか強調した
構図になっていたのは、すべてが優しい!

「さあ、ぼちぼちやるか」
毎日コツコツなんて続かないわよ。
サボってもいいじゃない


ですね。百歳までまだ30余年あるのだから
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by asanogawa-garou | 2015-04-02 16:59 | 人間模様 | Comments(0)