「よそ者」人生:日本の世間と感覚がズレているからこそ、作品や研究を生み出せる。(〔物書き人生〕最終章・養老孟司 VS.塩野七生) 共に御年満80歳   

2018年 01月 17日

「よそ者」人生:日本の世間と感覚がズレているからこそ、作品や研究を生み出せる。(〔物書き人生〕最終章・養老孟司 VS.塩野七生) 共に御年満80歳

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養老孟司さんと塩野七生さんは、共に御年80の「同級生」である。旧知の仲でもあるそのお二人が、相次いで新書を出版。
デビュー50年の塩野さんが著したのは『新しき力』。
「ギリシア人の物語」全3巻の悼尾を飾る本書は、歴史長編としては、塩野さんの最後の著作となる。
その作品で主人公に選んだのは、アレクサンダー大王、最後の先品として最も若い主人公である。
一方の養老さんは『遺言』。
一気呵成の書き下ろしとなる本作は、動物とヒト、感覚と意識、アナログとデジタルなどの概念を考察することによって、いまの時代の「おかしさ」を浮き彫りにした新書である。

〔よそ者〕「よそ者」人生
〔「よそ者」「はぐれ者」〕
〔AI(人工知能)〕AIが処理できない存在
〔健康診断〕
〔僕らが小さい頃は80歳まで生きている人はヘンな人というくらい珍しかった〕
〔心配しないで。いずれどうにかなりますよ(笑)〕


〔よそ者〕「よそ者」人生
(塩野)「よそ者」性がないと、常識や当たり前のことに対して「何で?」という疑問を持てなくなるという面がありますよね。
例えばなぜオリンピックが生まれたのかという疑問に対して、多くのヨーロッパ人の間では「戦争ばかりしているのは不毛だから、休戦のためのイベントでもしようということで始まった」というのが常識になっています。
でも私は「よそ者」だから「なぜ」と興味を持って調べていくわけです。
だからもしあの時に養老さんの提言を受け入れて鎌倉に移住していたら「ギリシャ人の物語」は書けなかったかもしれません。
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〔「よそ者」「はぐれ者」〕
(養老)作家というのは、ある程度、「よそ者」性が必要なんです。
「よそ者」性が日本の世間と感覚がズレている「はぐれ者」と感じます。

〔AI(人工知能)〕AIが処理できない存在
(塩野)人工知能によってヒトは職を奪われると言われているけれど、私はちっとも怖くありません。
塩野七生はデータ化不能なものを扱っているから。
だってギリシャの歴史はデータにできないものに突き動かされて書くものだから。

(養老)人間の意識がある時間は、1日の3分2しかないし、その前後だってだいぶ怪しい。
お酒を飲んだりすればあやふやになったりするでしょう。
にもかかわらず、その意識を絶対視して、人間にとって一番最後に進化してきた部分だけをAIにしているんですよ。
だからものすごくたくさんのものが欠落している。
AIの中には、0か1しかない。でも0と1の間には無限があるけど、それは“ノイズ”なのでAIが処理できない存在です。

(塩野)そうか、塩野七生が考えることもノイズということね。
(養老)だからデジタル慣れした人は、同じ室内にいてもメールで話したりするんですよ。なぜなら対面でやり取りするとノイズだらけで邪魔になるから。
(塩野)直接話すことは大事よね。
国際電話で編集者と話していると、それまで考えつかなかったようなことを思いついたりするんです。
編集者は長電話で迷惑かもしれないけど(笑)。
私はコンピュータには触らないし、ケータイも持っていないんです。
ここまでアナログだと絶望的ですよね。
いい加減、始めるべきなんでしょうけれど。
(養老)別にいいんじゃないですか。これからはデジタルからアナログに戻る。というよりも、デジタルに対する人間の対応が変わってくるでしょうね。

〔健康診断〕
塩野:日本で倒れたことがあって調べたらタンパク質の数値がとても悪かった。
でも、帰国してイタリアで検査を受けてみたら許容範囲内だった。
日本とイタリアでは許容範囲が全然違うんです。

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最も偉大なイタリア人女性科学者、リータ・レーヴィ=モンタルチーニ
〔僕らが小さい頃は80歳まで生きている人はヘンな人というくらい珍しかった〕
〔人間ダメな時はダメになりますから大丈夫ですよ〕
〔心配しないで。いずれどうにかなりますよ(笑)〕

(塩野)我々はもう80歳まで生きたんですから、何があってもどうってことないですよね。
(養老)十分ですよ。あとは余計なお世話で生きているだけです。
僕らが小さい頃は80歳まで生きている人はへんな人だ、というくらい珍しかった。
(塩野)私は人に迷惑をかけないようになるべく適度な時に死んだ方がいいと思っているの。
だから長生きのために必要なことと反対のことをするようにしています。タバコは吸う。お酒は飲む。ご飯は好きなものを好きなだけ食べる。
でも何かを食べたいと思っているうちはーーー。
(養老)元気だということ(笑)
いいじゃないですか。
人間ダメな時はダメになりますから大丈夫ですよ。
(塩野)イタリアの学者でノーベル生理学・医学賞をとったリータ・レーヴィ=モンタルチーニは100歳になった時にテレビのインタビューを受けていたんです。
とってもおしゃれでエレガントな方で。
長生きの秘訣を尋ねられて彼女は
「明日目が覚めたら何をすべきかが、私にはわかっているから」と答えていたんです。
その時、私も同じかもしれないと思ったんです。
(養老)心配しないで。いずれどうにかなりますよ(笑)

週刊新潮2018/1/4・11新年特大号

【平蔵の独り言】(よそ者)(はぐれ者)に寛容な社会

〔よそ者〕「よそ者」人生
〔「よそ者」「はぐれ者」〕
〔AI(人工知能)〕AIが処理できない存在

【独り言】
(よそ者)(はぐれ者)に寛容な社会
団塊の世代の“市井”はこんな社会にいたような気がする。

小学3年:担任が年賀状「届かなかった」と言われた。
小学3年の学年末:“挨拶もしない”で転向
転校先:すぐ親切にしてくれた子はクラスの嫌われ者
中学:教室が足らないので二部授業
こずかいのもらえない者同士が夏休み、町工場でアルバイト
(格差社会は当時からあった。貧乏同士、助け合った)
高校、大学:新設校を量産
就職先:希望先は全滅、専門分野で滑り込み
いろいろと紆余曲折はあったが、この分野で来年は50年
(希望先、全滅で良かったと思う。まだ、現役である)

【平蔵の独り言】検診を受けながら、古稀は過ぎ、喜寿へ

〔健康診断〕
〔僕らが小さい頃は80歳まで生きている人はヘンな人というくらい珍しかった〕
〔心配しないで。いずれどうにかなりますよ(笑)〕

【独り言】
48歳:生死を彷徨う(まだ独り言できない)
その後:胆管結石(胆嚢全摘)左冠動脈狭窄(カテーテル)
顔面神経麻痺、歯周病(2本奥歯インプラント)、ドライアイ
胃カメラ、大腸内視鏡、

⇨“今、古希 70歳" ヘンな人、いずれどうにかなりますよ の前に"喜寿"
還暦から古稀まで気がつけば、早かった。

〔僕らが小さい頃は80歳まで生きている人はヘンな人というくらい珍しかった〕
へんな人〔心配しないで。いずれどうにかなりますよ(笑)〕



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by asanogawa-garou | 2018-01-17 16:22 | 人生 まだ旅の途中 | Comments(0)